介護現場で考える・福祉用具研究会の活動から 『圧倒的につらい体』を知る
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圧倒的につらい身体を知る方法

 

浜田きよ子さんが主宰・監修している福祉用具研究会(定期的に多人数で開催する機会としては、社会福祉法人健光園ももやま:京都市伏見区桃山町立売1-6 Tel.075-605-5678があります。介護士、作業療法士、理学療法士、介護・健康関連メーカーなど様々な立場の方がその都度、ご自身の都合で出席されています)から、いろんなケースでヒントになる事例を紹介します。

 

クッションひとつで座位が変わる

 

廣村親人さんが利用者さんの身体を真似る
廣村親人さんが、利用者さんの身体を真似ました。

福祉用具研究会では、施設利用者さんの日常生活を快適にするために、事例検討・改善のための会を続けています。多くの場合、介護する側は比較的健康。利用者さんは不自由な体で生活をされている。その不自由さを言葉で語れるとは限らない。もし、上手に語ることができたとしても、介護する側も、言葉ですべてを理解して共感できるとは限らない。つまり、基本的には「お互いに良く分かっていない」という関係を起点にして、分かりあえる要素を増やしていこうとする。

そこで、介護する側が、利用者さんの姿勢を真似ることで、言葉にならない多くの情報を得ることができます。

ももやまの廣村親人さんが、85歳の男性の姿勢を真似ました。

この利用者さんは、左半身まひで、車いすに座っているか、ベッドに寝ているか、そのどちらかで過ごされています。車イスに座ると、姿勢が崩れます。足と頭は右に、腰は左にずれて弓なりになっています。廣村さんも苦しそうです。

ここで、浜田きよ子さんが「同じ姿勢で座り続けるのは苦痛である」という視点を提示されました。人が座っている時は、目で見て分かるくらいに大きな幅で体が動く時もあれば、分からないくらい小さく動く時もある。どちらも、重心を細かく移動させることでバランスを取っている。という姿勢のメカニズムを説明し、廣村さんにクッションを渡されました。

「お腹の上にクッションを置いて、その上に腕を乗せてみてください」。

廣村さんが、浜田さんの言うとおりにしてみると、身体の力がふっと抜けます。

「腕が重たくてしょうがなかったのですが、腕の置き場ができたらとても楽になった」

――この枕があれば、自分の感覚でおこなう体重移動も楽です。

座位が崩れる時、クッションを使えば改善する
苦しい体ですが、クッションをひとつ抱きかかえると、腕の重みも解消されます。

座位が崩れた時、クッションを使えば改善する
クッションが一つあれば、自分の身体が無意識に行う体重移動をサポートできるということが、身を持って経験できます。

 

同じ姿勢で座り続けるのは苦痛。


豪華なソファーに腰掛けてみる

同じ姿勢で座り続けることと、それに影響されて、自分にとって快適な体重移動ができないと、その人の姿勢はどんどん崩れて行く。ということを体験しました。

今度は、廣村さんが豪華なソファに座ります。
良い座り心地だ、と言ってはみたものの、しばらくするとお尻がどんどん前に逃げて行きます。そこで、今度は肩の後ろに枕を入れて、頭の重さを支えてあげました。そうすると、姿勢が崩れにくくなりました。

この変化は、どんなソファでも試せます。
普通に座ってみると、最初は快適なのですがどんどん苦しくなっていく。そこで、枕を膝の上に置いたり、背中の後ろに当ててみたりします。

どんなソファーでも、姿勢は崩れる
どんなソファーでも姿勢は崩れる

どんなソファーでも、姿勢は崩れる
首の後ろにクッションを入れてみると、姿勢は変化する

崩れた姿勢も、クッションを抱きかかえると戻る
クッションをひとつ抱きかかえてみると、姿勢が変わるのが良く分かる

クッションは、背中やお尻の下にも入れてみると、姿勢の変化が良く分かる
首の後ろや腰の後ろなどにクッションを追加。手を置くクッションも枚数を変えてみると、姿勢の変化がもっとよく分かる

 

快適なクッションの、厚み、大きさ、固さ、位置などは人それぞれ異なりますが、どんな人でも、このようなちょっとした工夫をすることで、身体のつらさは減らすことができます。

 

考えるためのヒント@ 要介護者の姿勢を真似ると、そのつらさに近づける。

A 人の身体にとって、同じ姿勢でキチンと座り続けることは苦痛である。

B 体重を支え、自発的な体重移動が起きるようにしてあげる。

C クッションは、お尻の下だけでなく、いろんな部位を補助できる。

 

介護現場で考える・福祉用具研究会の活動から

『行動には理由がある。身体を真似ると、その理由が見えてくる』はコチラ→

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本ページの制作 監修:浜田きよ子 執筆:本サイトウェブマスター

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